栗駒山紅葉時期オーバーユース問題

栗駒高原は、宮城県、岩手県、秋田県にまたがる、標高1626mの栗駒山を主峰とする高原です。毎年、9月末から10月中旬にかけて、全山が紅葉に染まり、多くのハイカーを魅了します。一方で、紅葉時期が限られており、年間の登山者数の60%がこの時期に集中することや、週末や、同じ登山コースにハイカーが集中することから、渋滞による観光公害や、ハイカーが集中することによる登山道の侵食が問題となっています。

 

2022年と2023年と2年間に渡り、登山口であるイワカガミ平への自家用車乗り入れが規制される9月下旬から10月上旬の週末に、イワカガミ平駐車場にLNTブースを出展しました。環境に配慮したアウトドア活動の教育やLNTに関する情報発信を行い、2年間で約2万人のハイカーのLNTを発信しました。

 

2022年と2023年にかけ、紅葉時期の栗駒登山者に対して、LNTの認知、登山ルート、環境配慮の意識について、LNTブース及び公共バス内にQRコードを設置し、アンケート調査を行いました。その結果、LNTの認知について、2022年は3.3%だったところ、2023年には33.0%と、約10倍に向上しました。一方で、利用する登山道や、登山時について、分散傾向は見られず、紅葉という季節依存型、週末利用による集中型など、観光行動の改善にはいたりませんでした。

 

栗原市観光物産協会とリーブノートレイスジャパンの共同制作により、紅葉時期の栗駒山登山の観光動画を作成しました。動画は、一定期間栗原市観光協会のウェイブサイトに掲載され、オーバーユースの軽減や、環境に配慮したアウトドア活動の啓発に活用されました。

 

2年間にわたるスポットライトの取り組みの結果、栗駒登山の拠点であり、日本ジオパークに認定されている「栗駒山麓ジオパーク」のビジターセンターでもある「栗駒山麓ジオパークビジターセンター」が、地域におけるLNTの普及と、LNT指導者のハブ機能となる「LNT東北拠点センター」として、2024年11月16日に連携協定を締結しました。

 

栗原市におけるこれらの協働事業の結果、地方自治体とLNTJの包括的な連携プログラムである、自治体連携協定を2025年11月29日に締結しました。栗原市は、LNTを活用して今後以下のような協働事業に取り組んでいきます。
1)「栗駒山麓ジオパークビジターセンター」におけるLNTの教育と啓発
2)「栗駒山麓ジオトレイル」におけるLNTの看板の設置と啓発
3)LNTを活用し、ユネスコ世界ジオパーク登録の推進