万水川の川ゴミ問題
問題の背景
長野県安曇野市を流れる万水川は、信濃川水系の支流であり、その透明度から、日本中のパドラーが訪れる、人気の川下りのゲレンデです。この万水川に水源は、北アルプスから湧き出る豊富な湧水であり、環境省より「名水百選」、国土交通省より「水の郷」に認定されています。また、これらの湧水は、わさび田やニジマス養殖などの地元産業を支える、地域の誇りであり、観光資源ともなっています。しかし、その水辺環境に変化が見られています。近年、万水川では広範囲にわたりゴミが散乱している状況が確認されています。美しい清流のイメージを持って万水川に来てみると、似つかわしい川ごみに驚かされ残念な気持ちになることもあるそうです。
環境アセスメント
2025年3月14日、上流の拾ヶ堰から犀川との合流点までを、徒歩及びカヌーで調査しました。地元パドラーとLNTJ担当者が参加し、ゴミの流れ着く場所、種類、広がりを明らかにしました。カヌーでは一般観光客が目にできない流域まで広範囲に調査ができ、想像以上のゴミの集積に一同驚かされました。

レベル1インストラクターコース
2025年3月15日–16日に、地元アウトドア観光の関係者を対象として、LNTレベル1インストラクターコースを開催しました。安曇野エリアでのレベル1インストラクターコースは初めてとなり、今後万水川の川ゴミ問題を解決するための、共通言語となる環境倫理を学びました。

リバークリーン活動
2025年4月6日、地元のアウトドア観光関係者、行政関係者、LNTJの呼びかけによる有志が集まり、リバークリーンを実施しました。万水川は、4月なると雪解けにより川の水位が上がり、万水川の川ごみは、犀川、千曲川、信濃川を経て、日本海に流出します。万水川の川ゴミを減らすことは、海洋ゴミ放出の削減のためにも重要なアクションとなります。

アクションプラン
LNTレベル1インストラクターコース、リバークリーン活動を経て、2025年4月23日に安曇野市役所にて、万水川の川ゴミを無くすためのアクションプランワークショップを開催しました。ワークショップには、アウトドア観光関係者を超えて、長年万水川に関わってきた様々なグループが参加し、万水川を守るために何ができるかを話し合いました。ワークショップでは、「川ごみの原因は何か」「どうすれば減らせるのか」「誰が実行主体となるのか(市民・企業・行政)」について議論しました。地元で活動されているカヌークラブの方が、「カヌーを通じた川での楽しい体験が、川の保全意識を高め、川ゴミの減少につながる。まずは、万水川で質の高いアウトドア活動を市民や次世代の子供達に提供していきたい。」と今回の一連の活動を振り返りました。一連のスポットライトを通じて、一過的なリバークリーンに終わらずに、地元のウトドア観光関係者の方に、LNTに基づいた環境倫理が定着したことを確認しました。安曇野市では今後、包括連携協定の提携に向けて、同市内でのLNTの普及啓蒙が進められていく計画です。


