原則4 見たものはそのままに
奇岩、植物、文化的・歴史的遺物などの、旅行中に見かける自然からの贈り物の数々。例えば「自分一人ぐらいなら、自然物を摂取したり、自然物の形を変えたりしてもダメージはないだろう」と思っている人が、何百人、何千人いたとするとどうなるでしょうか。自然はあっという間に取り返しのつかないダメージを受けることになります。また、もともとその自然環境にはないものを持ち込むことも、時としてその自然環境を大きく変え、結果的に自然へインパクトを与えることになります。自然の中には必要以上に持ち込まない、外へ持ち出さないことで、豊かな自然をずっと保つことができます。
テントサイトの変更を最小限に抑える
テントサイトは作るのではなく、適切な場所を見つけます。また、キャンプ後は、ペグ代わりに使った木の枝、テントのアンカーに使用した岩、椅子やテーブル代わりに使用した丸太など、キャンプ生活に利用した自然物はできる限り元通りにします。キャンプで使用した跡地は、そのままだと生活感が漂い、後に来たビジターは残念な気持ちになります。他のビジターのためにも、クリーンアップしておきましょう。
生きている木や植物にダメージを与えない
快適で便利なテントサイトを作るために、物をぶら下げるための釘を木に打ち込んだり、生きている木から薪を作ったり、テントの支線を木の幹に結び付けたりして、直接木にインパクトを与えることは避けるようにしましょう。木などの自然物にイニシャル刻むことなど以ての外です。
数本の花を摘むことは大きな影響を与えるとは思えませんし、数本の花を摘むだけでは影響はないかもしれません。 しかし、すべてのビジターが「ほんの少しだけでいいから」という気持ちで採集を続けた場合、その積み重ねにより、自然へ大きな影響が生じる可能性があります。 花を摘む代わりに、写真を撮るか、花をスケッチすることで、思い出だけを持ち帰るようにしましょう。
自然物や文化的遺物を残す
枝角、珪化木、色のついた岩などの美しさや興味のある自然物は、バックカントリーのムードを一層高めます。それらの自然物を他のビジターも発見・体験ができるように残しておく必要があります。 国立公園など自然を保護している場所では、自然物を採集・持ち帰ることは禁止されています。
文化的・歴史的遺物も同様です。 文化財は文化財保護法によって保護されています。 遺跡、史跡、などの遺物を発見したら、手を触れずに見るだけにして、見るだけにしておきましょう。