海のLNT7原則を作りたい
Telacoya921代表 中尾 薫
今回の団体紹介は、LNTJの理事でもあり、神奈川県葉山町を拠点に幼児教育を行う、Telacoya921代表の中尾薫(かおり)さんにお話を伺いました。
Teracoya921の活動
Telacoya921は葉山町を拠点に活動を行う教育団体です。2011年に認可外保育園「おうちえんTelacoya921(後の一般社団法人Telacoya921)」を設立し、その後その功績が認められて、「まちの保育園鎌倉」の業務委託を受けています。さらに2021年からは、卒園生や、地域の小学生を対象に、オルタナティブスクールとして「Telacoya旅する小学校」を開設し、幼児から児童を対象に、葉山の自然を生かした自然教育を展開しています。
団体の方針としては、「自分で考えて、自分で行動する」ことをコンセプトに、園に通う幼児たちは、毎日海や山の自然の中にでかています。公立の小学校では、海や山に行くことが遠足となってしまい、出かける頻度が少ないため、危険を回避せざるを得ず、危険をコントロールできないまま成長してしまいます。Telacoyaでは、安全が管理された楽しいだけの自然体験ではなく、子どもたちが自ら危険を知り、自らコントロールする力を養うことで、子どもたちだけで自然の中で自立して遊ぶことを大切にしています。
はやまエシカルアクション
葉山町は、2022年に、SDGsの目標達成に向け、産官学が共同参画する「はやまエシカルアクション」プロジェクトを立ち上げました。このプロジェクトは、飲食業、観光業、小売業などのさまざまな業種が参画し、各団体がSDGsの達成に向け、課題解決をおこなっています。
また、葉山町は現在、当会との間で、地域連携協定に締結に向けて検討が進んでおり、LNTを活用して、エシカルアクションをさらに加速さていく計画です。地域連携協定とは、自治体が、LNTの商標を使用し、地域自然環境の保全と観光の促進に活用できるもので、ビジターがLNTのアクションを起こし、観光体験の質の向上と、地域の環境が持続可能に保全されることが期待されます。
ブルーマーブル
Telacoyaの卒園生は、日々ビーチに遊びに行くようなライフスタイルが身につき、それが故にビーチのさまざまな問題に気づく機会があります。その一つが漂着ごみの問題です。2021年に、1人の小学校3年生の女の子が、地域住民や観光客にクッキーを作って配ることで、ゴミ拾いを手伝ってもらうということを思いつきました。このひらめきは、後に小学校でバラバラになってしまった卒園生が集まり、子どもたちが町長にも活動の支援を求めるようなアクションとなり、青いビー玉という意味で、この青い地球を意味する「ブルーマーブル」という団体の設立につながりました。
ブルーマーブルの活動は、子どもたちが、名称も考え、ロゴも作り、企画を考え、資金を調達するところまで、すべて自分達でやっています。現在活動は3年目を迎え、卒園生だけでなく、地域の子どもたちを巻き込み、上述したはやまエシカルアクションで表彰されるなど、葉山町のアイコニックな活動に成長しています。
海のLNT7原則
中尾さんは、LNTの基本テクニックや、LNTJがこれまでに作成したコンテンツが、山を中心にしたものであることを嘆きます。中尾さんは、これまで関わってきた子どもたちと一緒に、自分達で海の7原則を作りたいと夢を描きます。
もちろん、ビーチのLNT7原則は、アメリカで既にありますが、そんな一般的なものではなく、ブルーマーブルの子どもたちの目線から見たLNTの7原則を作り、日本中に発信してほしいですね。