LNTのシンプルさゆえの難しさ:LNTをもっと使いこなせるになりたい

Sotoasobu 代表 江川理恵さん

今回は、北海道の誇る洞爺湖・有珠山をベースに自然体験プログラムを提供するSotoasobu代表の江川さんにお話を伺いました。洞爺湖エリアは、支笏洞爺国立公園内に位置するだけではなく、洞爺湖・有珠山ジオパーク、世界文化遺産北海道・北東北の縄文遺跡群に認定されるなど、地形や歴史、文化においても価値あるフィールドとなっています。江川さんはその魅力の一つとして、カルデラ湖である洞爺湖や、未だ数十年に一度は噴火する有珠山など、新旧の火山が作った大地だからこそ、そこに生まれる生態系とのつながりが魅力あると語ります。

江川さんは、北海道庁が進める、アドベンチャートラベル(AT)ガイド養成の一環である、「北海道サステイナブルガイディングトレーニングプログラム」に参加し、LNTJとの野外指導者連携協定により、1日の研修でLNTトレーナーを取得しました。それまであまり触れたことのなかったLNTの最大の印象は、これまで国立公園内での活動、規則ばかりでしばられてきたことに対し、規則ではなくアウトドアユーザーの倫理によって環境を守る考え方が、目からウロコだったそうです。また、なぜその行動が必要なのか、原理原則に基づいて判断する方法に感銘を受けたそうです。これまでたくさんの環境保護教育や、持続可能なガイドラインに触れてきましたが、アウトドアリーダーとしてどれもしっくりくることがなく、なんとなくモヤモヤした気持ちを持って取り組んできましたが、LNTはそのモヤモヤを解消してくれるかもしれないと直感したそうです。

一方で、LNTの実践する上での難しさも感じます。LNTは、アウトドアユーザーの倫理観を問題としますので、人の倫理観は、その人の経験や人生観から形成されるため、多くの人を一斉に対象する場合、うまく使えるのか心配しました。また、規則と違い、LNTを実践するためには、7原則から、実際に起こすアクションまで、論理的に判断する必要があるため、これまで規則により判断することがなかったアウトドユーザーに対しては、実際行動を起こすことが難しいと考えます。

今後、今回LNTトレーナーになった北海道のガイドの仲間たちと、LNTをもっと勉強して、7原則をそれぞれのフィールドで、自信を持って使えるようになっていきたいと夢を語ります。


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