LNTをせいなの森から日々の暮らしに

二川泰明さん・文香さん(せいなの森キャンプ場)

団体紹介インタビュー(2022.9.8)

せいなの森キャンプ場

せいなの森キャンプ場は、長野県阿智村清内路地区にある、10万平米の広大なエリアに、キャンプサイト、バンガロー、コテージ、研修施設、グランドなどが点在するキャンプ場です。もともと東京で生活していた二川夫妻が、東日本大震災をきっかけに、妻の文香さんの趣味であった自家製酵母パンの工房を営むために阿智村に移住しました。その後、ご主人の泰明さんが関わっていた、現在のせいなの森キャンプ場を、村が手放すことを知り、一念発起して指定管理会社を設立し、5年前からキャンプ場の運営を行なっています。現在、5名の職員がLNTトレーナーを取得する、日本で一番LNTトレーナーのいるキャンプ場です。

LNTを導入してみて変わったこと

ゴミ箱の撤去でビジターの環境意識が高まり、スタッフの負担が軽減!?

2022シーズンより、思い切ってゴミ箱を全て撤去しました。これまでは、ゴミの処理や、流し場の清掃など、スタッフにとっても負担の大きい作業でしたが、ゴミを持ち帰りにしたところ、スタッフのゴミ処理の負担がなくなっただけでなく、ビジターが自分達で流し場を清掃してくれるようになりました。今まで、食べきれないほどの食材や、必要以上のキャンプ装備を持ってきたビジターが、今年LNTを理解してくれて、来年からは、必要なだけの食料や装備を事前に計画して、キャンプを楽しみに着てくることを期待されています。

スタッフ全員がLNTを理解し、環境意識が統一

2022シーズンから受付でビジターの配布するキャンプ場の手引きをリニューアルしました。これまでは、どんなルールにしたらよいか、毎年悩んでいたところ、LNT7原則に従うことで、キャンプ場での適切な行動を全て網羅することができ、あまりに時間をかけずに案内を作ることができました。さらに、スタッフ全員がLNTを理解することにより、環境に対する意識や価値観の違いにより、意見が分かれることもなく、スタッフ全員がなぜそれが必要なのか理解して、ビジターに対して対応できるようになりました。

LNTを通して描くキャンプ場の未来

せいなの森キャンプ場での体験は、ビジターにとってもほんの一時でしかありませんが、そこで実践した環境への配慮が、キャンプ中だけはなく、日々の暮らしに持ち帰ってもらいたいとい想いが、せいなの森キャンプ場を運営する「株式会社里山生活」には込められています。泰明さんは、日本中のキャンプ場がLNTを導入することで、日本中の人々が環境にやさしいライフスタイルに変わっていくこと夢に見ます。また、阿智村は天竜川の支流の源流にあたり、ここでの水源へのインパクトが、都市の環境に影響を与え、やがては海洋環境にも影響を及ぼし、いずれは自分達の生活に返ってきます。文香さんは、LNTを通じて、現在地球規模では起こっている海洋環境の汚染や、過剰な生産による温暖化の問題など、LNTに解決のヒントがあるのではないかと考えます。お二人の想いは、単に楽しいだけではない、キャンプを通じて、人々のライフスタイルや人生にやさしい影響を与えられるようなキャンプ場を目指しています。


団体紹介募集

リーブノートレイスジャパンでは、団体メンバーの皆さんから、みなさんの活動の紹介を募集します。自身の活動を、ブログや、YouTubeでの紹介を希望される方は、事務局までご連絡ください。取材後、LNTJのブログに掲載されるほか、毎月15日に配信されるメールマガジンにて、全国のLNTの仲間たちにご紹介させていただきます。

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