平尾台の魅力を世界に発信

Hug平尾台プロジェクト

壹岐尾恵美(いきおえみ)さん

壹岐尾さんの活動する「平尾台(ひらおだい)は、福岡県北九州市小倉南区に位置し、標高300-700m、面積1500ha(羽田空港とぼほ同じ広さ)のカルスト台地です。新幹線小倉駅からも自動車で40分と、大都市からアクセスが良いにも関わらず、台地上に至るには斜度約40度の車道を登るため、平尾台にいるとそれを近さを感じさせないほど、都会からは隔絶された「天空の楽園」です。カルスト台地特有の石灰岩が地表に露出した風光明媚な景観と、無数に張り巡らされた鍾乳洞が最大の魅力です。

壹岐尾さんが主催する、「Hug平尾台プロジェクト」は、壹岐尾さんご本人がLNTトレーナーを取得された2021年10月より団体メンバーとなりました。団体のミッションは「平尾台の魅力と価値を、日本だけでなく、世界に発信する」ことと壹岐尾さんは語ります。その一環として、現在、「粋邑(いきむら)」という民泊業と、「ひつじカフェ」というカフェを運営しており、平尾台を訪れるビジターに居心地の良い空間を提供しています。その土地に泊まること、その土地のものを食べることは、ビジターが地元の人とコミュニケーションをとるきっかけとなり、観光にとってとても重要な要素であると考えます。壹岐尾さん自身の本業は、建築・インテリアデザイナーということで、LNTコースの開催地となったこれらの施設はおしゃれで、とても居心地がよい空間でした。

また、平尾台は里山の文化圏であり、日本全国の里山が直面している人口減少や空き家や放置林の増加は、平尾台にとっても大きな課題の一つです。壹岐尾さんは先祖代々より平尾台に広大な土地を持ち、これらの活用も団体としての大きな使命の一つです。壹岐尾さんは建築のノウハウを活かし、これらの空き家を再生し、自身の土地における農業と合わせた、農泊による地域の活性化も目指します。また、今回のLNTコースは、平尾台で1泊2日のハイキングを通じてLNTを学び、夜は壹岐尾さんの土地の林の中にビバークし、焚き火を囲みながらLNTのティーチングやテクニックの勉強をしました。壹岐尾さんはLNTコースを通じて、こういった使い方もあるのかと、自身の土地に新たなアイディアも生まれたようです。

壹岐尾さんは、自然を楽しむ前提として、自然にどう関わるかといった教育を欠くことができないと考えます。そのため、LNTは、今後平尾台にたくさんの人に来てもらうために、とてもわかりやすい教育コンテンツになると共感していただきました。日本の里山は、一度人の手が入ってしまうと、管理を続けない限り、人が心地よく住める環境ではなくなってしまいます。平尾台も例外ではなく、毎年広大な草原の野焼きをするために、害虫駆除や土壌の質を維持し、現在も人が住め、ビジターが楽しめる壮大な景観を維持することができます。LNTを通じて、全く自然に手を加えないのではなく、どうしたら持続可能な里山が維持できるのかビジターに伝えていくのも里山に暮らす人の使命であると考えます。

いつも自然体で、心から平尾台を愛するは壹岐尾さんは、環境保護の重要性を理解しつつも、団体の活動の中では、ルールで規制したり、配慮行動を押し付けたくないと考えます。誰もが主体的にそういった行動を選択し、気持ちよく平尾台を楽しんでもらうために、LNTの考え方がとても大切になると、共感していただきました。

団体紹介募集

リーブノートレイスジャパンでは、団体メンバーの皆さんから、みなさんの活動の紹介を募集します。自身の活動を、ブログや、YouTubeでの紹介を希望される方は、事務局までご連絡ください。取材後、LNTJのブログに掲載されるほか、毎月15日に配信されるメールマガジンにて、全国のLNTの仲間たちにご紹介させていただきます。

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