LNT原則3 山での食器の洗い方
皆さんの山での食器の洗い方を教えてください。
①ティッシュもしくは除菌ティッシュで拭く
②何もしないでまた使う
③なめてキレイにする
現実的には①がほとんどで、②が少数派、③は山のベテランには結構いるかもしれません。
ちまたでは、SDGsがさけばれ、世界中で持続可能性が求められる世の中になっています。LNTはまさにSDGsの先駆けで、持続可能性を大前提とするテクニックです。
①は、ゴミは持ち帰ればOKです。しかし、何日間ぐらいまでそのゴミを運ぶキャパシティがあるでしょうか?日帰り、もしくは1、2泊だったらなんとかなると思います。一方で、1週間、2週間その方法で、どれだけのゴミが出るでしょうか?もしくは、10人、20人の大パーティーだったら。この方法ではすぐに限界が来てしまいそうですね。
②の方法は、かなりリスクですね。感染が起これば、その場で即遠征終了です。アウトドアは不衛生を我慢するのではなく、普段の生活よりも衛生に気を使いましょう。
③は、唾液は殺菌作用があるので、②よりも良いかもしれません。ただし、同じパーティーの中には様々な病原体を持っている人もいるので、多様性を受けいれる社会には、これからは馴染まない方法です。
①、②、③いずれの方法も、これからのSDGs社会のアウトドアとしては、ちょっと問題があるかもしれませんね。
LNTでは、一つの方法として、山の中で自然由来の洗剤を使うことを推奨していますが、この方法でも、インパクトはゼロにはなりませんし、LNTをよく理解しないまま、「天然洗剤なら使っても問題ない」と言った間違った理解がひとり歩きをすると、とてつもなく大きなダメージを及ぼすことになります。
そこで、LNTJでは、煮沸を使った、洗浄、殺菌のテクニックを推薦しています。この方法は、長期遠征を行うWEAコースで、半永久的に持続可能な方法として、実証されています。
手順としては
1)スクレーパーで、食器や調理器具についた食べかすをできる限りこそぎ取る
2)鍋に水を入れ沸騰させる
3)使用したスプーンやはしを煮沸消毒する
4)沸騰したお湯でスクレーパーで取りきれなかった、油分やでんぷんを完全にこそぎ取る
5)沸いたお湯に、粉末のレモンティーやスープを入れて、使用したカップの汚れをとりながら飲む。
6)次に使う時は、まず鍋でお湯を沸かしてから、調理、食事に使用する器具を全て煮沸してから使う。
もちろんフリーズドドライで、お湯を注げは汚れはでないと言った選択を取ることも良いと思います。ただどうしても、単価が高く、長期間の遠征となると、経費も馬鹿にはできなくなります。
アウトドアで、みんなでわいわい調理をしながら、食事を楽しみたい方、ぜひこの方法を試してみてください。ティッシュで拭くのよりも見た目もはるかにキレイで、目に見えないバイ菌もより少なくなります。