LNT原則2 ぬかっている登山道の歩き方

皆さんに質問です。目の前の登山道が、ぬかっていて、足首まで埋まりそうです。さて、皆さんならどうしますか?

①登山道を避けて通る
②そのまま普通に通る
③勢いをつけてジャンプする

③を選んだ方、登山道に過度な踏圧をかけるばかりか、怪我をして登山を中断しなければならない可能性があります。今すぐに考え直してみてください。

①選んだ方、あたなのブーツもパンツも汚れることはありません。その後も快適な登山ができるでしょう。しかし、あなたのような判断をする人ばかりいると、すぐに登山道の脇に新たな踏み跡ができ、そこに回復不可能なダメージを与えることなります。

一人ぐらい大丈夫だろう。確かにその通りです。しかし、その一人一人の目に見えないインパクトが積み重なり回復不可能なダメージになることを「アキュミュレイトエフェクト(累積効果)」と言います。

この写真は、北海道のとても有名なトレイルです。最初は一番左側がトレイルだったのですが、そこがぬかるんだために、右側に新たな踏み跡ができてしまいました。踏み跡ができると、そこがあたかもトレイルかと勘違いし、後から来た人は皆そこを歩いてしまいます。そのトレイルがぬかるむとさらに右側を歩き、また新たなトレイルが。ダメージの始まりかけている一番右も、きっと同じようなハイカーがばかりだと、いずれ立派なトレイルになってしまうでしょう。

つまり環境にインパクトが一番少ないのは②です。ぬかっていても登山道を歩きましょう。

とはいえ、環境のために、靴の中を泥だらけにしたり、パンツの裾を泥だらけにして、テントの中や、山小屋に泥を持ち込むのは、衛生的に問題があり、登山自体が楽しくなくなってしまいます。

そこで、日本ではまだまだ少数派ですが、日頃からスパッツ(ゲートル)を携帯することをお勧めします。登山靴は、防水性、防塵性に優れ、泥の中を歩いた後に、水洗いしても、全く問題ありません。登山道がぬかっているときに、スパッツを装着することで、登山靴の中への泥の侵入や、パンツの裾の汚れを防ぐことができます。

もしスパッツを持っていなければ、優れた登山経験者といえども、装備を損失することを避けるために、ぬかるみを避けるかもしれません。つまり、優れた登山者は、スパッツを携帯します。

海外の登山者を見かけた方は、彼らが晴れた日でもスパッツをしているの見かけたことはありませんか?また、平気でぬかるみを歩いていく姿を見たことありませんか?彼は登山のスペシャリストではありませんが、「ぬかっていても登山道を歩く」ことは、世界の登山者の「あ・た・り・ま・え」だからです。

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