LNT7 他の種目愛好者への配慮

今日、アウトドアの楽しみ方、関わり方はさまざまです。歴史の長い登山から、ここ数年盛り上がってきたオートキャンプまで、その目的やレベルはさまざまです。アウトドアに既得権はありません、マジョリティもマイノリティもありません。個人が等しくアウトドアを楽しむ権利を有しています。

とかく活動種目が異なると、ついついその愛好者の方々をよそ者扱いしてみたり、その人たちの行為が間違っていると考えたくなります。これは「内集団バイアス」として、身内が良いと考え、自分以外の集団は良くないと考える心理的状態です。これは誰でも自然と抱くものですが、だからと言って、正しい判断ということではありません。我々がアウトドを多くの方々と等しく共有するためには排除しなければならない心理状態です。

このワークショップでは、この内集団バイアスの問題を鋭くついた楽しいワークショップでした。

手順

1参加者を、地元の長年の登山者、トレイルランナー、マウンテンバイカーに分けます。

21本のトレイルを自分のことだけ考えて通過してももらいます。ロールプレイとして、少し迷惑な愛好者を演じてもらっても良いかもしれません。

3実際にロールプレイをした後に、まず、「クレーム合戦」を行います。例えば、「いきなり通過されて危ない」「すれ違うときやな顔された」「上り有線なのに、マウンテンバイクが止まらなかった」など、いろいろなクレームが出てきて、とても盛り上がりました。

4次に、そのクレームが出ないためには、自分たちはどうしたら良いか話合います。その解決策をシェアした後、担当のアクティビティをスイッチして、他のアクティビ愛好者の気持ちを体験してもらいます。

5最後に、お互い配慮した時の気持ちや、安全性などを共有します。

6オプションとして、配慮のなかった1回目と、配慮をした2回目の全てのグループの通過時間を比較しました。その結果、配慮した2回目の方が、結果として早く通過できることがわかりました。

7このワークショップを通じて、他のアクティビティ愛好者を毛嫌いするのではなく、相手の行動パターンを理解し、こちらが一歩引いてあげることで、お互いが気持ちよく、スピーディー、かつ安全にアウトドアを楽しめることがわかりました。

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